
4つのボディバリエーションからなる16代目クラウン。今回はセダンの評価ドライバーとエンジニアに密着!セダンで実現したかった乗り味とは。
群戦略だからこそ可能となるクルマづくり
「徳田さんの話にもありましたが、減衰力を下げていくと操縦安定性を確保するのが難しくなります。そこも課題でした。」
そう語るのは、車種担当評価ドライバーとしてクロスオーバーとセダンの開発に携わった凄腕技能養成部の相良優斗だ。
相良

クロスオーバーやスポーツでは、DRS(後輪操舵システム)を生かすことで、クラウンらしいソフトな乗り味と、高速域での安定した走りを両立させていました。
しかし、クラウンセダンではDRSの設定がありません。どのように操縦安定性を確保するのか考えあぐねているときに、平木さんがブレーキによる姿勢制御の技術を提案してくれました。
平木

ブレーキの先行開発を行うチームによる技術で、ちょうど採用してもらえるプロジェクトを探しているタイミングでした。
メカニズムとしては、コーナリング中にリヤタイヤの内輪を軽く制動し、アンチロールの挙動を発生させることでロールを抑制するというものです。
操縦安定性が向上するため、もちろんドライバーにとってメリットがあるのですが、コーナリング中の後席の揺れもおだやかになり、快適性にも効果があります。まさに我々のためにあるようなシステムだと感じました。
評価ドライバーの片山も、乗り心地、操縦安定性ともに満足できるレベルに仕上がったと胸を張る。
片山

路面からの入力で足は動いても、バネ上(ボディ)は動かさないというところを狙って開発してきたのですが、まさにそういうクルマに仕上がったと思っています。
ここまで乗り心地にこだわって開発できたのは、クラウン シリーズとして4つのボディタイプを展開したからこそだ。
1つのボディタイプではできないことを、4つあるからこそ個性を際立たせることができる。つまり商品を「単一」ではなく「群」として開発し、多様化するお客様のニーズに対応していく。こうした「群戦略」が、魅力的な商品づくりへと結実しているのだ。
次回は、クラウン シリーズ最後のモデルとして登場する、エステートにおける乗り味づくりについて。ロングドライブでも疲れない走りは、いかに実現したのか?その真相に迫る。