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2026.02.26
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生産性向上は従来の延長線上にないレベルで 生き残りかけ労使協議

2026.02.26

米国関税や他メーカーとの国際競争など、事業環境は一段と厳しさを増す自動車産業。生き残りをかけて、労使が実行に移すべきアクションは何か?

心の叫び

佐藤社長

世論が賃上げに注目していく中で、トヨタの労使協議は「悔しい」という想いで話し合いを始めていただいたこと、本当に組合の覚悟が伝わってきました。まずもってその事にお礼を申し上げたいと思います。

「悔しい」という気持ちは恐らく役割を果たせていないという、心の叫びだと思います。

議論の中にもありましたが、「頑張っているんだけど、あと一歩がやりきれてない」という想いが今日この話し合いに出てきたのだろうと思います。この熱量を、この場のものとするのではなく、全員で共有するところから我々の労使協議は始まると思います。

誰一人置いていかない労使協議を、今年はやっていきたいと改めて強く思いました。

今日の話し合いを踏まえ、鬼頭委員長からおっしゃっていただいたように、次回の議論を「挑戦」にフォーカスするにあたって、3点ほど思ったことがあるのでお話させていただきます。

1つ目は、(いいクルマをしっかりつくって、しっかりお届けすることができていない)マイナスをゼロにする。ここにも一つ挑戦があると思います。大事なことは、全員が頑張っているのに、我々はまだマイナスの状態にいること。現在位置はマイナスの状態なんだ、まずはそれをゼロにしようという挑戦が目の前にあります。

ゼロにできるかできないかではなく、ゼロにしようと思うから出てくる課題があるはずで、そこについて何が壁になっているのか、もう1回深く話し合って壁を壊しに行きたいと思います。

2つ目は、当たり前を変えよう。長い間つくられてきた仕組みや共通の理解があるので「これ当たり前だよね」と思っていることがたくさんある。それを壊しにいこうということだと思います。

保全の事例がありましたが、ものすごく心に届きました。働き方まで変えないと、設備停止ゼロにできないと言っていただいた覚悟、まずはこれに向き合うべきだと思います。

我々の悪いところは、こういう事例があると全体論に戻してしまう。「保全にもあるから、他にもあるはず。きっと全社でそういうのがあるはずだ」と言って、せっかく具体を挙げてもらっているのに、全体論にするから進まない。

我々が足場固めで2年やってきたことは「一律じゃないよ」ということだったはずなので、まず保全の話をやりましょうよ。

そこが具体にあって、前に進めば、その後に「いや実はこれもあるんだ」ということが出てくれば、どんどんやっていけばいい。だから皆様には「今日の話し合いを全体論に戻さないで」とお願いしたいと思います。

3つ目は「リソーセスを柔軟に考えよう」ということ。どうしても本部あるいは組織に固定的にリソーセスを考えがち。だけど本当はもっと流動的であるべきと考えたら、やれること、作るべき仕組みが全然違うはずだ、ということを今日言っていただいたんだと思います。

それを実現するためには、一人ひとりの能力をまず高めないとダメだと思います。全員がプロの意識を持って、高い能力を持っていれば流動性を高められるけども、そうでなければそんなことはできない。

修羅場という言葉もありましたが、本当に修羅場という言葉を使った方がいいかどうかというのは今の時代にあるかもしれませんが、「自らを鍛える」ということを真剣に考えたときに、今やらなきゃいけないことは何か? こういうことをクリアにしていきたいと思います。

トヨタの働き方は、世の中の働き方と違うと思います。

ある一定のスキルがあって、自分の能力を使える。だからこの会社でこういう仕事をする。昨今はそういう働き方なんだろうと思います。

ただ、トヨタにいると自分を鍛えてくれる仲間が、あるいは上司や後輩が(いる)。自分の能力をどんどん高めていってくれる会社なんです。この原点をもう一回取り戻して、全員で自分を鍛えるために、何をすべきか考えましょうよ。

リスキリングだってあるだろうし、セカンド職場の取り組みもその一つかもしれない。そういうことをやりながら、小回りの効く応受援ができる会社になっていく。こういうことが大事なんだろうと思います。

AIの議論もありました。やはり手段と目的の話だと思います。

例えば設計行為で言えば、忙しくて時間がないから計画図は書けないけど、製品図は書いてしまう。やっぱり何かがおかしい。計画をしていないのに製品図は書けない(はず)。だけど、忙しさを理由にそういうことが起きているとすると、変えるべきはその手段ではなくて、ツールだったり、やり方だったりするはず。

そういうことをもう1回、リソーセスの流動性を高めるための武器として、自らを鍛えるということを考えていったらどうかなと思います。

そんなことも含めながら、ぜひこの今日の労使協のエネルギーを全社で共有して、2回目の話し合いに向き合っていきたいと思います。

次回の労使協は3月4日に開催する。

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