2025.06.30

認証問題発覚後、井上雅宏社長のもとで再出発を図るダイハツ工業。改革が進む現場で、これまでの道のりと、未来への想いを聞いた。

2023年に認証問題が発覚したダイハツ工業。翌年3月、井上雅宏社長をトップとする新体制が発足し、現在も再発防止へ改革を進めている。そんな中、井上社長から1本の連絡が届いた。
「トヨタイムズでダイハツの現場を取材してほしい」
連絡を受け、富川悠太が本社(大阪)を訪ねたのは24年10月。問題発覚以降、現場はこの期間をどのような想いで過ごしてきたのか。
改めて思う真因とは何か、サプライヤーやお客様、家族にも説明できない苦しさ、一方で真摯に問題と向き合い感じたダイハツの強さ――。動画の中で従業員は飾ることなく胸の内を語ってくれている。
23年12月20日は、第三者委員会の調査結果を公表した日だ。ダイハツはこの日を「再出発の日」と定め、井上社長は全従業員に「再発防止を誓い、そして未来につなげていく、そんな一日にしたいと思います」と呼びかけた。
あわせて、認証問題を一人ひとりが理解し、繰り返さないよう正しい仕事の在り方を考える施設「考動館(こうどうかん)」を社内に設置。認証問題の背景など、実例を交えて学ぶことができる。
問題発覚から2年。25年6月、ダイハツは新型ムーヴを発表した。「やっぱりメーカーなので、新車が出ないと元気にならないから」と井上社長。
ダイハツ再生へ。覚悟と決意を持って歩み続ける現場を取材した。