シェア: Facebook X

URLをコピーしました

決算内容に加え"アメリカと中国でのBEVや電池の新たな計画"も発表

2025.02.05

2025年3月期 第3四半期の決算説明会。収益や利益の発表に加え、米中での新たな計画も明かされた。決算報告のサマリーを速報する。

トヨタは25日、20253月期 第3四半期(2024412月)の決算を発表した。実績と期末見通しは以下の通り。

なお、今回の決算説明会では、中国に新会社を設立し、レクサスのバッテリーEVBEV)、および、車載電池の開発・生産を行うと発表。

さらに、米国の電池製造会社(TBMNCToyota Battery Manufacturing, North Carolina)が生産準備を完了し、4月に電池の出荷を始める計画を公表した。

発表されたばかりの決算説明会のサマリーを速報する。

「稼ぐ力」をさらに引き上げる

営業利益の実績は36,794億円だった。

前年同期は、半導体不足からの挽回生産期にあたり、生産台数は高水準となっていた。

しかし、今年は認証問題の影響で減少。加えて、米国での日野自動車関連の一時費用、「人への投資」の積み増しなども受け、5,607億円の減益。

その一方で、仕入先や販売店も含めた現場の地道な改善努力により、依然として高水準の利益を確保した。

※純利益は1,531億円の増益。外貨の保有の仕方の変更に伴う会計処理の見直しで一時的な利益が発生した。

期末の営業利益見通しは4.7兆円。「価格改定」「インセンティブ(販売奨励金)の抑制」「バリューチェーン収益の拡大」といった改善努力により、202411月の前回発表から販売台数はそのままに、4,000億円の上方修正とした。

宮崎洋一副社長はこうした「稼ぐ力」について、「生産レベルの回復と安定化、ならびに、もっといいクルマづくりを通じて、継続的に高い商品力を維持できていること、そして、各国・各地域が学び合いながら、お客様の笑顔につながる活動を積み上げてくれていることが原動力になっている」と解説した。

米中でのBEV・電池の開発と生産を加速

前回、202411月の決算で、トヨタは「人への投資」と「成長領域への投資」の積み増しを発表。今回の決算では、「成長領域の投資」についての具体的な事例が公表された。

一つ目は、中国上海でのレクサスのBEVと電池の開発、現地生産を担う新会社の設立だ。

開発から生産まで一貫して行う会社を立ち上げ、現地のニーズに合わせたクルマを迅速に提供できる体制を整える。

生産開始は2027年以降を予定。設立時には約1,000人を雇用し、生産能力も約10万台から段階的に拡大していく。

中国での生産事業は現地メーカーとの合弁で行っているが、今回の新会社は単独出資で立ち上がる。

もう一つは、トヨタとして海外初となる電池製造拠点・TBMNC(米国)の稼働開始について。既に生産準備を完了しており、4月には電池の出荷が始まる予定だという。

TBMNCでは、HEV(ハイブリッド車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、BEV向けの電池を内製する。

累計で約140億ドルの投資が発表されており、最終的には約5,000人の新規雇用を予定している。

電動車や電池の開発・生産を通じて、現地のニーズに合ったマルチパスウェイ戦略を一層強化。事業を行う国や地域に愛され、頼りにされる「町いちばん」の会社を目指していく。

あわせて、決算説明会では、今年1月のCES 2025で豊田章男会長がプレゼンしたウーブン・シティについても言及された。

2025年秋にも実証を開始するモビリティのテストコースには、未来への志を同じくするインベンターズ(発明家)が集う。

自動車産業の枠を越え、さまざまな仲間たちと手を取り合う。新しい価値や製品、サービスを創出して、「幸せの量産」につなげる。

豊田会長が示した構想を、宮崎副社長は決算説明の場で振り返った。

2024年の労使協議会以降、トヨタの経営陣と組合は、仕入先や販売店も含めた「人への投資」を重要テーマとして議論を続け、さまざまな取り組みにつなげてきた。

決算の結びにも宮崎副社長はそのことに触れ、自動車産業の魅力アップや産業全体の競争力の向上への想いを語った。

宮崎副社長

仕入先、販売店を含む従業員全員が「やりがい」と「活力」をもって、すべてのステークホルダーの皆さまの笑顔を増やすために、「もっと頑張りたい」「もっと働きたい」。そう思ってもらうことが自動車産業全体の競争力向上の源泉になると確信しています。

Facebook facebook X X(旧Twitter)

RECOMMEND