
6月3日に発表された豊田自動織機の株式非公開化、および新たな持ち株会社の設立。当事者である4人が語った、トヨタの"ルーツ"から始める未来とは?

トヨタ不動産は6月3日、トヨタグループによる豊田自動織機へのTOB(株式公開買い付け)実施を発表した。
取引が完了すれば、豊田自動織機の株式は非公開化され、上場廃止となる。これにより同社は、短期的な業績などにとらわれず、「モノの移動」を牽引する企業として長期的な成長ができるようになるという。
TOB実施にあたっては、新たに持ち株会社が設置される。まず、トヨタグループを株主とするトヨタ不動産が約1,800億円を出資。
この出資について、トヨタ不動産の近健太取締役は「トヨタ不動産はトヨタグループ15社が株主の会社。トヨタ不動産というよりも、トヨタグループが(出資する)と言える」と語った。
加えて、トヨタ自動車からは議決権を持たない優先株で約7,000億円を出資。さらに、豊田章男会長も10億円の個人出資を行う。

豊田自動織機は、トヨタグループの創始者である豊田佐吉が1926年に創業。1933年には長男・豊田喜一郎が同社内に「自動車部」を発足し、後のトヨタ自動車の前身となった。
トヨタの“ルーツ”と呼べる企業の非公開化。そこには、どのような背景と想いがあるのか。
豊田会長、豊田自動織機の伊藤浩一社長、トヨタ不動産の近取締役、トヨタ自動車の山本正裕 経理本部長に緊急インタビューを実施。
「豊田自動織機は豊田章男氏が支配するのか?」
「6兆円規模のTOBと報道があったのに、1株1万6,300円は安すぎる」
「トヨタグループはホールディングス化する?」
TOBの報道を受けて挙がった、一部メディアや投資家、SNSの声に4人はどう答えたのか。
トヨタ社長時代の14年間、忘れ去られてしまった“トヨタらしさ”を取り戻す戦いに身を投じた豊田会長。今回の10億円の出資については、トヨタグループの源流企業に生きる“トヨタらしさ”を決して忘れないでほしい、という意を込めていると語った。
機織り機の生産から、自動車という未知の事業に踏み出した歴史をもつ豊田自動織機。現状維持ではなく、未来のために新しいことを始める。企業としての原点に立ち返り、さらなる飛躍を目指すために行われた今回の非公開化。
その裏側にある想いを、ぜひ映像でご確認いただきたい。