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佐藤社長が語る「今のトヨタが大切にしていること」 入社式で語った原点

2025.04.02

「記憶に残る景色の中には、クルマがあってほしい」。佐藤恒治社長が新入社員へ伝えた想いとは。

クラウンの教え

佐藤社長

展示車両の一つ、クラウンは今年、誕生から70年を迎えました。皆さんにとって、クラウンはどんなイメージでしょうか。

70年もの長い間、お客様に愛されてきたロングセラーカー。クラウンには、トヨタが大切にしているクルマづくりやモノづくりへの想いがたくさん詰まっています。歴史を振り返りながら、紹介したいと思います。

クラウンが生まれた当時、日本の道を走っていたのは外国車かトラックでした。そんな中で「みんなが乗れる乗用車をつくりたい」という想いで、私たちの先輩は国産乗用車づくりに挑戦をしました。

当時のもてる技術をすべてつぎ込んで、1955年、初代クラウンが誕生しました。

そこにあったのは「自分たちの手で、日本の道、日本のユーザーに合うクルマをつくろう」という「クルマづくりへの情熱」と「お客様第一の想い」。

そして「よい品(しな)よい考(かんがえ)」、創意工夫を重ねてお客様に品質のよいクルマをお届けするという「モノづくりの精神」でした。

クラウンのチャレンジは続きます。初代クラウンで、トヨタは世界に目を向けて、初めてアメリカへの乗用車の輸出に挑戦をしました。

そして、1959年には日本初の乗用車専用工場「元町工場」を立ち上げて、多くのお客様にクルマをお届けする、量産へのチャレンジが始まりました。

それ以降も、歴代のクラウンは日本のお客様のニーズに寄り添って進化を続け、多くのお客様に受け入れられてきました。

ただ、代を追うごとに、つくられてきてしまったものがあります。「クラウンはこうあるべき」「このカタチなんだ」という「固定観念」です。

現在の16代目クラウンも、実は当初の企画提案は、従来どおりのFRのセダンでした。

その提案に対して、当時の豊田社長は「お客様の価値観は変わり続けている」と言って「NO」という決断を下します。

この言葉を受けてチームは、クラウンの原点に立ち戻りました。初代クラウンの開発を担当した中村健也さんは、こんなことを言っています。

「信念をもって人にモノを売るということは『自分の心でいいと思うもの、本当のお客様の心が入ったもの』をつくるということ」

つまり、お客様の笑顔を第一に考えて、常識にとらわれずに「いいと思うもの」をつくる。開発チームはその想いを大切にして「クラウンはどうあるべきか」を考え抜きました。

そしてたどり着いたのが、セダンからクロスオーバーまで、お客様のニーズに多様にお応えする新しいクラウンでした。

今のトヨタが大切にしていることを表すエピソードであると思います。

信念をもっていいモノをつくり、お客様に喜んでいただく。これがトヨタの原点であるということを、クラウンの歴史は教えてくれていると思います。

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