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センチュリーはブランドに、レクサスは革新を 新プロジェクトの全貌公開!

2025.10.15

トヨタの新しいブランドの方向性を示した13日のトヨタイムズ生放送。5つのブランドを再構築した狙いは? ポイントをまとめた。

10月13日、トヨタイムズ特別生放送でトヨタの新しいブランド戦略が発表された。

ダイハツを含めたオールトヨタを5つのブランドに再構築し、それぞれのコンセプトを表現した新しいCMを披露。

さらに、30日に開幕を控えたジャパンモビリティショー2025(JMS)に出展するコンセプトカーを一足先にお見せした。

生放送に出演した6人。左からトヨタイムズ富川悠太、トヨタ自動車 豊田章男会長、サイモン・ハンフリーズCBO(Chief Branding Officer)、野添剛士氏(SIX Inc.)、篠原誠氏(篠原誠事務所)、小西利行氏(POOL Inc.)。ハンフリーズCBOはセンチュリー、野添氏はレクサスとGR、篠原氏はトヨタ、小西氏はダイハツのブランド広告を手がけた。

本記事では、そこで明らかになった5ブランドの役割や目指す方向性をサマリーする。

CENTURY:One of One

9月19日に新プロジェクトの始動を告げるカウントダウンサイトが立ち上がった。そこには、トヨタ、レクサス、GR、ダイハツのブランドロゴとともに、トヨタのフラッグシップであるセンチュリーのロゴが…。

SNSなどでは、センチュリーがトヨタブランドの一車種ではなく、別のブランドとして独立するのではないか…という予想も出ていたが、実際、その通りになった。

その位置づけに誰よりもこだわっていたのが豊田章男会長だ。SNS上でトヨタ公式アカウントの担当に“ダメ出し”していたことも話題になった。

センチュリーを独立させる理由について、豊田会長は「(これまで)センチュリーの居場所がはっきりしていなかった」と説明。

トヨタの高級車ブランドとしてレクサスがある。一方で、また別格のクルマとしてセンチュリーがある。しかし、前回のJMSで、センチュリーはトヨタブースに置かれており、問題意識を持っていたという。

豊田会長

海外のブランドは根っこ、生い立ちの違う会社が一緒になってできた。ただ、これら(トヨタ)のブランドは、ダイハツ以外、全部根っこは同じですよね。

その中で、レクサスが長男坊、トヨタが次男坊みたいな感じで、レクサスは長男としてしっかりしなきゃいけない(という意識があったように思う)。

以前、「アバブ(above)レクサスをつくったら?」と(言ったのですが)どうしても(トヨタという会社は)フルラインで量産メーカーですから、量(が出るクルマ)を取っちゃうんです。

ですが、上級車以上になるとレクサスでもアバブが必要。トヨタにはセンチュリーがあるじゃないかと、この位置付けをアドバイスしました。

サイモン・ハンフリーズCBO(Chief Branding Officer)は「ある意味、レクサスの動きは自由になる」「レクサスはどんどんパイオニアとしてチャレンジすればいい。センチュリーはTop of Top、One of Oneとして、ハイエンドにチャレンジする」と役割の違いを示した。

なお、新ブランドのCMはハンフリーズCBOが自ら手掛けた。「One of One この世界にひとつを、この国から。」というメッセージが添えられている。

自動織機の会社として誕生したトヨタのルーツ、センチュリーの革新、日本人のプライドなどを表現することにこだわった。

LEXUS:DISCOVER・誰の真似もしない

センチュリーブランドの誕生で、より思い切った挑戦が期待されるレクサス。ブランドの変革を象徴するかのように、CMに登場したのはLSコンセプトという名の6輪のクルマ。

「セダンではなく、SUVでもなく、ミニバンの新しい形でプレミアム3列シート」「これからの高級車の新しい形」と豊田会長から提案のあったLSコンセプト。「乗るとき、降りるときをカッコよく」にもこだわった。

LSはレクサスのフラッグシップで、「ラグジュアリーセダン」の頭文字をとった車種として知られてきた。それだけに、今回の変貌は関係者の想像をはるかに超えていた。

CMを手掛けた野添剛士氏(SIX Inc.)も、LSのSはセダンのSと認識してきたそうで、「スペース」だという豊田会長のまったく新しい解釈に驚かされたという。

豊田会長は、レクサスのブランドの成り立ちに触れ、次のように発言した。

豊田会長

(当時)トヨタのフラッグシップはクラウン。アバブ・クラウンはヨーロッパのプレミアムブランドがひしめいていました。初めてそこをつくろうとしたのがLS。

その後、ラインナップを増やしてきましたが、もう一回、LSの原点に戻って、これからのショーファードリブン、レクサスのフラッグシップがどういうクルマなのか、セダンにこだわらず、考えてみようと投げかけました。

レクサスブランドの方向性を示す言葉として選ばれたのが、「DISCOVER(発見する)」であり「誰の真似もしない」。

野添氏

今回、(ブランドCMを)つくるにあたって、例えば、会長がLSをどうディレクションして、6輪・空間の世界にいきついたのか、どういうやりとりが行われているのか、普通は社外秘だと思うんですが、全部見せていただきました。

その中でギュッとして選んだ言葉が「DISCOVER」であり、「誰の真似もしない」。実は会長が開発陣の背中を押すときにずっと使っていた言葉だったんです。

豊田会長は、ヨーロッパ勢を追ってきた歩みに触れ、「だけど、イミテーション(模倣)をインプルーブ(改善)させて、イノベーション(革新)にする。もうイノベーションの段階に来ているクルマもあってもいいと思う」と指摘。

「すごいチャレンジ。レクサスに期待されることってあるじゃないですか。静粛性、乗り心地、道を選ばないとか。そういうことをやって初めて6輪車が完成します。みんな本気ですから、必ず実現してくれると思います」と期待を示した。

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