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センチュリーはブランドに、レクサスは革新を 新プロジェクトの全貌公開!

2025.10.15

トヨタの新しいブランドの方向性を示した13日のトヨタイムズ生放送。5つのブランドを再構築した狙いは? ポイントをまとめた。

TOYOTA:TO YOU

いわゆる高級車部門はセンチュリーとレクサスですみ分ける一方、「フルラインナップ」「マルチパスウェイ」を掲げる一番のボリュームゾーンがトヨタブランドだ。

CMを担当した篠原誠氏(篠原誠事務所)は「本当に幅広い車種があって、何をメッセージにすればいいのか、何を言えばいいのか途方に暮れた」と告白。

豊田会長の言葉を振り返る中で、トヨタには「Mobility for All(すべての人に移動の自由を)」という言葉はあるものの、「一人ひとりのために」という意味合いが強いことに気が付いたという。

篠原氏

For Allというより、For Youに近いんじゃないかなと(思いました)。

でも、「あなたのため」という感じも少し違うな…と違和感を持っていたんです。

そのときに一緒にやっているコピーライターから「あなた目がけて」という言葉が出てきたんです。まさにこれだなと。

こうして、トヨタブランドの「TO YOU」というコピーが生まれたという。トヨタ(TOYO)があなた(U)を向くという姿勢も表現されており、豊田会長もお気に入りのメッセージだ。

奥に映るのは次期カローラのコンセプト。生放送のコメント欄でもクルマの正体が何か盛り上がった。

「トヨタは年間1,000万人近くのお客様に(クルマを)選んでいただいています。我々が間違ってはいけないのは1,000万人というお客さんはいないということ。1人ずつの集合体で1,000万人。それを『あなた目がけて』(と表現してくれた)。すごくドーンときました」(豊田会長)

まだ世に出していない数々のモビリティをJMSに先立って広告に使用。それぞれどんなモビリティなのか、そのさわりは番組アーカイブで。

GR:THE SOUL LIVES ON.

ここまでトヨタの3つのブランドを紹介してきたが、今回、GRはJMSの出展を見送ることに。

毎年、年始に開かれるクルマ好きの祭典「東京オートサロン」を見据え準備を進めているという。

しかし、布石は打ってある。10日には、富士スピードウェイの最終コーナー前の「GRスープラコーナー」の看板が何やら意味深な広告に…。

右から2000GT、レクサスLFA、そして、秘密にされているもう一台のクルマ。コピーはTHE SOUL LIVES ON.(魂は生き続ける)。すでにこの場所は「GR GTコーナー」と呼ばれている!?

期待が高まる新型車の情報に踏み込まれると、豊田会長は「私が年末にワールドプレミアをやりますから。そこまで待って」とニヤリ。

豊田会長もこだわっているというエンジン音が番組内で披露されると、コメント欄は大盛り上がり。

モータースポーツへの挑戦を通じて、走りの楽しさを追求するGR。まだ秘密だらけの発表ではあったものの、クルマ好きの興味をかきたてた。

DAIHATSU:わたしにダイハツメイ。

5ブランドで、唯一ルーツが異なるのがダイハツだ。オールトヨタの一ブランドとして、豊田会長から与えられたキーワードは「おもろい」だったとCMを担当した小西利行氏(POOL Inc.)は言う。

小西氏

会長から最初に「おもろいダイハツを復権させて」とテーマをいただきました。

大阪人にとっての「おもろい」はセンスがいい、気が利いている、アイデアがいっぱいあるという意味。ダイハツ本社に初めて行ったときに、なるほどと思ったことがありました。

ダイハツはクルマが主役というより、暮らしが主役。時代のニーズ、街の人たちの困っている声を直接聞いて、一つひとつ形にしていった歴史でした。

しかも、小さいクルマだからできることがあり、そこにすごい技術をギュッと詰め込んだ発明が一つひとつにあるのがものすごくわかったんです。

こうしたことから、「わたしにダイハツメイ。」というコピーが生まれたのだという。

「ダイハツの社員が元気になるようにしてほしい」と豊田会長からリクエストをもらい、ダイハツの本社や工場など、社員が目にする場所にも数多く掲出する。

「発明」は自動織機を生み出した豊田佐吉から受け継がれるトヨタグループの原点だ。CMはダイハツの名前が広く知られるきっかけとなったミゼットで始まり、次のJMSに展示するミゼットXで締めくくられる。

ハンフリーズCBOは「原点回帰。街の中でも、田舎でも、皆の暮らしを支えているのが強み」と説明した。

さらに、番組の中では、「わたしにダイハツメイ。」というカラフルで楽しげなコピーの後に出てくるダイハツの赤いブランドロゴを、社員の「おもろいから」という提案でカラフルロゴに差し替えることになった裏話も披露。

豊田会長

ダイハツってもともとそういう会社だと思います。大阪の会社なんだから、関西らしさにはこだわってほしい。

1960年代にご縁があって、今は資本でいくと100%子会社ですが、ダイハツがそもそも持っている「トヨタには近づかない」という「遠心力」は応援してあげたい。

このCMをダイハツのステークホルダーの皆さんが見て、ダイハツの応援歌みたいになって、日本の国民車を担当するスズキ、ダイハツがライバルとして、切磋琢磨することで、日本の道の風景も変わると思う。

JMSでは、トヨタ・ダイハツは隣り合わせでブースを構え、間には壁も設けていない。センチュリーやレクサスも一つのホールに結集する予定だ。

オールトヨタ本気のモビリティをJMSで

今回、JMSに展示するいくつかの車両を紹介したが、ハンフリーズCBOは「コンセプトカーは必ず本気でつくっています。(市販に向けては)ショーに出してみて、みんなが「いいね」とリアクションしてくれたら」と本気度を強調した。

豊田会長は番組の最後に視聴者へこうメッセージを届けた。

豊田会長

トヨタが世界中のお客様のショッピングリストに入れてもらえる。そして、いっぱい、いっぱい思い出をつくっていただけるよう、こんなビジョンを持ち、こんなミッションを達成するために、みんなが力を合わせて、商品を一生懸命つくっています。

トヨタからどんな商品が出てくるのかな、どんな思い出、ストーリーが紡げるのかなと、同じジャーニー(旅)をともに歩める、走れる方々が増えていくよう、トヨタ従業員38万3千人、心ひとつにやってまいります。

ぜひとも、トヨタがこれから世界中で出す商品に期待いただきたいですし、興味を持っていただきたいと思います。

新たなブランドフォーメーションを打ち出したトヨタ。各ブランドがどんな方向を目指しているかは、今回紹介したCMに、そしてなにより、JMSに展示されるプロダクトに表れている。

ぜひ、現場に足を運び、モビリティを間近で見て、5つのブランドが目指す世界観を体感してほしい。

なお、番組では、トヨタのCMづくりの裏側について、豊田会長とトップクリエイター3人のざっくばらんなやりとりも話題になった。

コメント欄も盛り上がった1時間半。まだ見ていない方は以下のURLからチェック!

【ご参考】JMS概要
・会期:2025年10月30日(木)~11月9日(日)
 ※10月30日(木)はオフィシャルデー。一般開放日は10月31日(金)から。
・会場:東京ビッグサイト
・WEB:https://www.japan-mobility-show.com/

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