
本業とは関係ないように見える取り組みを紹介する「なぜ、それ、トヨタ」。今回は東京ガールズコレクション!?

今、皆さんは心の中でこう思っているのではないでしょうか。
「トヨタがTGCで何をしたの?協賛?クルマの展示?」
違うんです。ちゃんとファッションショーのランウェイに登場したんです!
そもそもTGCとはなんぞや。という方もいらっしゃるだろう。

TGCは東京ガールズコレクションの略称で、2005年からの歴史をもつファッションイベント。ファッション誌の専属モデルや人気タレント、今をときめくアーティストなどが登場し、若年層から多くの支持を集めている。
…でも、クルマ屋のトヨタとファッションイベントにどんな関係が?
『マイナビ TGC in ⼤阪・関⻄万博 2025』のランウェイを歩いたモデル・池田美優(みちょぱ)さんの発言を紹介させてほしい。
池田美優(みちょぱ)さん

このジャケットは、使われなかったクルマのエアバッグからつくられたそうなんですが、本当に生地がしっかりしてるんですよ。かといって重いとかもなく、素材がしっかりした高そうなものを着ている感覚です。
バッグもクルマのシートレザーからつくられたそうです。おしゃれで、言われてみないとアップサイクルって分からなくないですか?
トヨタイムズがなぜTGCを取材したのか、その理由にお気づきいただけただろうか。
そう。1年前に取り上げたトヨタのアップサイクルが、なんとTGCの着用アイテムになっていたのだ!
あの日あの時、お隣で…
きっかけは2年前のとある展示会だった。
繊維のスペシャリストとして原料から製品までを取り扱う豊島株式会社。その豊島とトヨタのアップサイクルチームのブースが偶然隣同士に。お互いの展示物を見学したという。
そこで“モノづくり”や“サステナビリティ”に関する考えに共鳴。豊島と事業をともにしていた、都会的で洗練されたウェアやライフスタイルを提案する株式会社アーバンリサーチも加わり、協業がスタート。アーバンリサーチのアップサイクル活動は、実はトヨタも注目していたという。
なんとも運命的な出会い!豊島の神野伊知郎課長は次のように振り返る。
豊島株式会社 神野伊知郎課長

展示会で見させていただいたペンケースや名刺入れの、一点一点に傷やマーカーが入っているんです。これって味や個性でもあり、すごくいいなと感じました。
こういうのは(使われなかった材料をそのまま活かす)アップサイクルならではで、リサイクルにはない魅力です。
もっと多くの人にアップサイクルという意義を知ってもらい「自分たちも環境にいい活動に参加できるんだ」と思っていただけると、世の中が変わっていくのではないかと期待しています。
アーバンリサーチの萩原直樹執行役員は「トヨタの素材の価値」についてこう語る。
株式会社アーバンリサーチ 萩原直樹執行役員

弊社としても廃棄衣料ゼロを目標に掲げる中で、“一点もの”のアップサイクルは芸術作品のようにも感じます。
そもそもファッションは、あらゆるシーンで服の魅力を引き出し、おしゃれに変えてきた歴史があります。例えばワークウェアやミリタリーウェアなど。固定概念を捨てて何か新しいものにチャレンジする考えをもたなければ実現できなかったことだと思います。
そうした気概で、クルマが好きな方でなくても、商品自体の魅力でご購入いただけるデザインを心掛けました。
今後もトヨタのロゴや素材のかっこよさを活かしながら、環境にも配慮したアイテムを一緒につくっていきたいです。
クルマの素材を扱うことに対し、豊島の神野さんは「普段使用している素材と異なるからこそ面白い。縫製しづらいこともありますが、生地がしっかりしていることは大きな価値。一つひとつ知恵を出しながら社会を変えることにトライしています」とも語った。

業種を超えた仲間づくりが進むトヨタのアップサイクルプロジェクト。
『マイナビ TGC in ⼤阪・関⻄万博 2025』でMCを務めたウエンツ瑛士さん、宇垣美里さんにアイテムの第一印象を聞くと、口をそろえて「(アップサイクル商品に)見えない!」と答えた。