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2025.06.05
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「すごい違和感」なぜトヨタが東京ガールズコレクションのランウェイに!?

2025.06.05

本業とは関係ないように見える取り組みを紹介する「なぜ、それ、トヨタ」。今回は東京ガールズコレクション!?

これ、クルマのどこの部品?

ウエンツ瑛士さん

初めて見た時はビックリしました!「これ、クルマのどこの部品なんだろう?」って。

「廃材を使って頑張って商品にした」っていう感じではなく、一つのファッションアイテムとして確立されていて、1点ものだから価値も高いですよね!

トヨタさんはクルマの素材に対してこだわりが強い印象があるので、サステナブルでありながらも、希少価値も高くてよりおしゃれだなと思いました。

同じくMCを務めた宇垣美里さんは「違う段階にきた」と語る。

宇垣美里さん

廃材を使用した商品って、見た目で分かる気がしていたんですけど、その感覚がなくて「違う段階にきたな」と、単純に「おしゃれだな」って思いました。

同じ“買う”なら、ちょっと地球に優しいこととか、ちょっと「自分がいいことしたな」っていう気持ちになりたい欲はあると思うんです。

そんな時に、アップサイクルならちょっと自分を肯定できたり、ちょっと嬉しい気持ちになるような気がするので、すごく素敵な試みだなと思っています。

世の中の廃棄物への見方が変わったり、社会が変わっていく。そんな可能性を感じます。

今回、みちょぱさんと同様に、トヨタのアップサイクルアイテムを着用したモデルのブリッジマン遊七さん。

KYOTO SDGsアンバサダーも務める彼女は、普段とは違った想いでランウェイを歩いたという。

ブリッジマン遊七さん

生地がしっかりしていて温かくて、デザインもかっこいい。アパレル業界では大量廃棄という課題がある中で、環境に優しいだけでなく、いろいろな面にこだわられていて素敵な取り組みだと思いました。

こういう環境に配慮した商品があることを知っていただいて、地球のためとか、環境のことを考えて利用してくれる人が増えたらいいなと思いながら、ランウェイを歩きました。

でもなぜTGC?

ここまで読んでくださった方はきっと、こう思っているのではないでしょうか。

「アパレルブランドとの協業はわかったけど、TGCとはどうつながったの?」

そうですよね。そこの説明がまだでした。

きっかけは豊田市だったそうだ。豊田市といえば「クルマのまち」「産業のまち」というイメージが強い。だからこそ環境への取り組みに、強い責任感を持っていた。

一方でTGCの企画・制作を行う株式会社W TOKYO側は、多くのプラットフォームを有する中で大阪・関西万博での開催にあたり「サステナブル文脈」や「未来社会デザイン」の観点での企画を検討。

これが、サステナブルな取り組みを、未来を担う世代にも知ってもらいたいという豊田市の想いと重なり、今回のステージが実現した。

今回のステージについて、W TOKYOの波間風太さんは独特な面白さがあると語る。

W TOKYO 波間風太プロデューサー

左からW TOKYOの地方創生・SDGs管掌 田嶋康弘さん、波間風太プロデューサー、宮下ありかさん、寺村愛実さん

ファッションイベントのTGCと、行政の豊田市さん、そしてトヨタ自動車さんが関わっている。しかも、モビリティではなくサステナブルな取り組みを一緒に発信しているというのは“違和感”があってめちゃくちゃ面白いですよね!

ムーブメントの中心が若者であり、情報があふれかえっている今、普通に発信するだけでは埋もれてしまい、なかなか想いは伝わりません。だからこそ、こうした“違和感”を発信していくのはすごく面白いですし、僕らの強みである若者向けのプラットフォームと掛け合わせるなど、今後もお手伝いできればと思います。

豊田市の担当者は今回のステージにこんな期待を寄せる。

豊田市 未来都市推進課 播磨有希子副課長、長橋秀紀担当長

左から長橋秀紀担当長、播磨有希子副課長

未来を担う世代はもちろんのこと、企業の皆さまも含め、多様な方々の「心が動く」ような取り組みを進めてきたいと考えています。多くの方に「自分たちも挑戦できるんだ」「やってみよう」と感じていただけると嬉しいです。

業種を問わずさまざまな方々と、取り組みを徐々に広げていけたらいいなと思います。そのために豊田市も自治体として積極的に活動していこうと思います。

TGCのお誘いに、トヨタの新事業企画部の只熊憲治室長の第一声は「まじか!?」だったとか。

新事業企画部 只熊憲治室長

ゼロから始めた事業だったので「TGCでも取り上げてもらえるようになったんだ」と感慨深かったです。

これまで我々の製品に足りていなかったのは“かっこよさ”や“おしゃれな見せ方”、“デザイン力”でした。アーバンリサーチさん、豊島さん、豊田市さん、W TOKYOさんというたくさんの仲間のおかげでこの課題を乗り越え、発信できたので本当に感謝しています。

廃材はいつ、どのくらい、どんな形で発生するかも読みづらい中で、お客様に愛着をもって使い続けていただける魅力的なデザイン力が重要。「環境に配慮しているから、少し高くても使ってください」という甘えは一切通用しない世界で、もがいてきました。

業種の壁を越えてもっと仲間を増やしていって、みんなで世の中にエシカルな変容を起こすことができるようなプロジェクトに育てていけたらと思います。

2025年4月13日(日)~10月13日(月)に開催されている大阪・関西万博2025のアーバンリサーチ店舗では、バッグやペンケースなどトヨタのアップサイクルアイテムが購入可能。

モデルが着用したジャケットは、夏頃にアーバンリサーチの一部店舗にて販売も予定されている。

アップサイクルの意義を知り、日々の暮らしの選択肢が少しずつ変わっていく。それは小さなことかもしれない。でも、その小さな変化の積み重ねこそが、社会を変え、地球の未来さえも変えていくのだろう。

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