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大阪・関西万博で1日限定の水素サウナ!?パビリオンを訪れた気分でお読みください

2025.10.28

本業とは関係ないように見える取り組みを紹介する「なぜ、それ、トヨタ」。今回はトヨタがサウナ⁉︎

惜しまれつつ閉会した大阪・関西万博。

今回は、北欧パビリオン「ノルディック・サークル」の小さな部屋で、特別公開されていたものをご紹介。万博マニアの人でも知らないような展示物だ。

答えは、世界初・水素燃焼技術を活用した「水素サウナ」。ちなみにサウナルームのイメージ図がこれだ。

サウナの常識を変えてしまうような革新的なものだが、今はまだ知っている人は少数。試しに来場者にサウナルームの画像だけを見せて、何かわかるか聞いてみると…

「何これ、おうち?」と娘さんは率直なコメント。

水素がヒントだと伝えると「え?水素?知らん(笑)」と困惑。万博を楽しんでいる最中に、難しいこと聞いてしまってごめんなさい。

会期中、50回以上も来場しているという男性は「展示されていることも知らなかった。水素サウナって環境に良さそうなイメージ。でもなぜトヨタが?」

「なぜ、それ、トヨタ」の取材で訪れていた我々が、いちばん欲しかったコメントを語ってくれた!ありがとうございます。

1日限定、特別展示の理由

そもそも、なぜ展示が知られていないのか。その理由は常設展示ではなく、北欧パビリオンで9月9日に開催された「ユバスキュラ・デー」での限定公開だったからだ。

幻想的な北欧パビリオン、展示されていたのはここではなく3階のWINTER ROOMという小さな部屋

トヨタイムズ読者なら「ユバスキュラって、あのユバスキュラ?」と気になる人もいるだろう。

そう!TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(以下TGR-WRT)が拠点を置くフィンランドのユバスキュラ市だ。

森と湖に囲まれた学園都市なのだが、この日はフィンランドからも大勢の関係者が来日。水素サウナは、トヨタがフィンランドの世界的なサウナメーカー・ハルビア社と共同開発しているからだ。

しかしサウナの本場、フィンランドからやって来たメンバーは、日本の夏に衝撃を受けていた。

日本の夏は、まるでナチュラルサウナ(笑)

冬は氷点下になることが多いフィンランド。35度を超える真夏の大阪に来ると…。「本当に暑い。立っているだけでナチュラルサウナに入ってるみたい(笑)」と大粒の汗。

中には「パビリオンの前の大阪湾に飛び込んでいいのか?」と聞いてくる人も。

ユーモアたっぷりのフィンランドのみなさんと、水素サウナの開発を共同で主導した一人が中村だ 。

トヨタ自動車 水素ファクトリー 中村匡 プロジェクトマネージャー

いつもラリーでお世話になっているフィンランドのみなさんに、トヨタの水素技術で貢献したいと考えたのが開発のきっかっけです。

そこで、フィンランドのみなさんがこよなく愛す「サウナ」で笑顔になってもらおうと考えました。

開発したサウナルームを実際にフィンランドで展示

水素は二酸化炭素(CO2)だけでなく、一酸化炭素(CO)も発生しないので、サウナルームが早く温まるというメリットがあります。

なぜ早く温まるのか。

トヨタ 中村 プロジェクトマネージャー

伝統的な薪サウナは、薪を燃やすと一酸化炭素が出るので煙突から排出。すると加熱された温かい空気も逃げてしまうんです。

水素サウナの燃焼は、一酸化炭素が出ないので煙突が不要。ルームから熱が逃げない。たくさんのエネルギーを使わなくてもあっという間に効率よく温まるんです。

上の写真を見ていただきたい。水素の炎と暖かい空気が、サウナストーンの間を通り抜ける。全方向から均等に加熱するので、熱がやさしく包み込むように広がる。

これにより、水をかけたときに生じる心地よい蒸気「ロウリュ」が生み出されるのだ。伝統的なスモークサウナの本質は、やわらかく心地よい熱。その再現を目指している。

とはいえサウナの本場、フィンランド側はどう捉えているのか…

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