シェア: Facebook X

URLをコピーしました

ウーブン・シティに"帰省" 東富士工場125人に「おかえりなさい」

2025.09.26

ウーブン・シティが9月25日、ついに実証を開始! この3日前、一足先にこの地を訪れた人たちがいた。まったく新しいのに懐かしい場所。再会の喜びを分かち合った。

喜び分かち合う仲間との再会

初めて来た場所。でも、懐かしさを感じてしまう場所。イベントに招待された東富士工場のメンバーもここで働いた日々に想いを馳せた。

大衡工場 品質管理部 秋葉楓恋さん

2018年4月の入社後すぐに異動の話がありました。すごく不安もあったのですが、宮城県の大衡工場に異動し、温かく受け入れてもらって、毎日楽しく勤務できています。

それでも、東富士工場の方々は、今でも会うと元気がもらえたり、私も頑張らなくちゃと思える大切な存在です。

大切な方々との思い出の場所を、このような素敵なまちにしていただきました。住民の方にとっても大事な場所になると思うと、とてもうれしいです。

岩手工場 車体部 土屋充広さん

当時、保全をやっていましたが、(工場の)あの梁(はり)の上を走っていったなぁ…、40トンのプレス機にはよく泣かされたな…と、ここにはいろんな思い出が詰まっています。

今は寂しいというより、これからこのまちがどうなっていくんだろう、我々が残したものが未来の土台になっていくのかな…と感慨深く見ていました。

東富士にいた仲間は、今、宮城、岩手とバラバラになっています。私も宮城に、その後、岩手に異動しています。

元々ここにいた皆さんは、別の工場に行っても、会うとほっとする人たちばかり。今日、戻ってこられてよかった。

大衡工場 組立部 小林真悟さん

2002年に入社して、東富士工場一筋で働いてきました。

今、家族を残して、単身赴任で宮城に行っています。皆さんそうだと思うんですが、連休で帰省すると、ウーブン・シティが見えるんです。

「だんだんできてきているな」と、帰る楽しみの一つになっていました。

当時、この場所が「故郷になる」と言っていただきました。今日招待してもらって、入口で、皆さんに拍手で歓迎してもらって、すごく気持ちがよく、うれしかったです。

どんどん進化させていくと思うんですが、この地を一緒に見守っていきたいと思います。

なお、オフィシャルローンチとなった25日は木曜日。かつて、東富士工場では、木曜日に食堂に並ぶ担々麵が人気メニューだったとのこと。

それにちなんで、WbyTのメンバーが当時のレシピを教わり、懐かしの味を再現するというサプライズも。

至るところで蘇る懐かしい記憶。東富士工場のメンバーは再会の喜びを分かち合い、思い出話に花を咲かせた。

ウーブン・シティへの期待

ウーブン・シティへの“帰省”。参加者はそれぞれこのまちへの期待を語ってくれた。

「私たちは裾野出身で、この工場でずっと育ててもらいました。そんな工場のことを(WbyTの人たちは)思ってくれて、(ウーブン・シティを)つくってくれている。これからもずっと忘れないでいてくれるとうれしいな」

「(ここで過ごした)30年、決して、楽しいことばかりではありませんでした。1台のクルマをつくり上げるのは大変で、すごく苦労したことを思い出しました。でも、あの頃があったから今がある。我々がここで、世界中のお客さんにクルマを届けてきたように、今度はこの場所で新しいものが生まれ、世界に発信してほしい。東北に行けなかった仲間にとっても、子どもや孫に自慢できる場所になると思います」

2020年12月、東富士工場の閉所式で豊田社長は従業員にこんなメッセージを届けた。

「ウーブン・シティは更地の上にできるまちではありません。皆さんが働いた場所、残してくれた歴史の上にできるまちです。いつも自分のことよりも、仲間のこと、人の気持ちを一番に考える、皆さんが築いてくれた大切なことを、まちづくりに関わるみんなで受け継いでいきたいと思います」

5年たって迎えたこの日、東富士工場の従業員は、その約束を確認できただろうか。

一つの節目を迎え、新たなスタートを切るウーブン・シティ。東富士工場の人たちの期待も乗せて、未来に向けた実証実験が始まる。

Facebook facebook X X(旧Twitter)

RECOMMEND