
先日発表された三菱ふそうと日野の経営統合。株主総会では、豊田章男会長がダイムラートラックのマーティン・ダウム前CEOの印象を語った。豊田会長はこの出会いに何を見たのか。
お客様第一、地域に根ざした仕事
中嶋副社長

私個人の印象ですが、超トラックガイのダウムCEO、超カーガイの豊田会長は、やはりお互いのお客様を第一に考えており、地域に根ざした仕事をしていくという考えをされていました。ダウムさんと豊田会長がお会いになり、その考えが見事に一致した瞬間に立ち会うことができました。
このようなことがあり、ぜひとも日野の将来、特にトラック、大型トラックのエリアに対して、ダイムラートラックのサポートをいただきたいと話をスタートしていった経緯です。
一昨日、(経営統合の)記者発表がありましたが、ダイムラートラックとトヨタは、自分たちの持っているさまざまな技術を、日野と三菱ふそう統合による新会社に対して惜しみなく提供していきます。
商用車は非常にタフな環境で使われますので、我々のつくる乗用車にとっても技術を磨く道場となり、多くの学びがあります。
また、ダイムラートラックでも、自分たちの持つ大型トラックの技術を日本、アジアなどに展開するうえでも(経営統合が)大きく役立つという想いで一致しています。
統合の会見が行われた日と同日、ランドクルーザー250などを受託生産している、日野の羽村工場(東京都羽村市)がトヨタに移管されることが日野から発表された。
約60年前に業務提携を結び、人材や技術交流を図ってきたトヨタと日野。商用車の未来をともにつくっていくため、両社の関係は、ダイムラートラックと三菱ふそうを交え、新たなステージに向かう。
「(協業の)形は変わりますが、トラックに対する愛、自動車業界に対する愛、働くクルマを何とか供給していこうという気持ちはトヨタ自動車と一切変わりません。ぜひとも株主の皆さまからも応援いただきたいと思います」
豊田会長の言葉に、議場からは大きな拍手が起こった。