ジャパンモビリティショー2025、トヨタの4ブランドが各展示に込めた想いを3回に分けて紹介。第2回は、サイモンCBOがレクサスの革新について語る。
“誰の真似もしない”レクサス展示車両
<LS コンセプト>
13日の生放送ではCMとともに紹介された6輪のクルマ。
チーフエンジニアに開発背景を聞くと、室内空間を最大限に広げ、今までにない快適さを実現。乗り降りする際の所作が美しくなる設計を探求した結果、6輪にたどり着いたという。
プレスデーでは、トヨタイムズの森田京之介が実際に中へ。こだわりの詰まった車内をレポートした。
3列シートのクルマでは2列目を倒して乗り込むことが多いが、LSコンセプトはその必要がない。3列目にも広々とした空間を用意し、快適な乗り降りができる。
また、2列目のシートは180度回転し、車内ミーティングも可能に。
屋根には空が見えるサンルーフも設置しており、試乗した森田は「ラグジュアリースペースを実感」とコメント。詳しくはぜひこちらからご確認いただきたい。
また、森田は試乗の際、なぜか靴を脱いで車内に入っている。実はこの靴下の色が、レクサスのスピーチに続く“あのクルマ”への布石になっている。ぜひ映像をチェックしたうえで、明日のトヨタイムズをお待ちいただきたい。
最後に、チーフエンジニアにLS コンセプトの展望を聞くと、「ただのコンセプトモデルではなく、本気で市販化を目指して開発を進めています」との答えが返ってきた。
<LS マイクロコンセプト>
LS コンセプトとのセットで考案されたのが、一人乗り用のモビリティ、マイクロコンセプト。
LS コンセプトで街中を移動した後に乗り換える、細い道のラストワンマイルを走る“ラグジュアリーな完全自動運転”をイメージしている。
室内空間は“ビスポーク・コクーン”。注文仕立て(ビスポーク)の繭(コクーン)に包まれるイメージだという。
快適な室内空間を過ごすために、オーダーメイドで内装をあつらえることが可能に。
また、LS コンセプトとともに、足の不自由な人でもシームレスに乗り降りできるよう、機能の拡張も検討していくという。
<LS クーペコンセプト>
運転席のドライバーも、後部座席の同乗者も、乗員全員が楽しめることを目指して生まれたクルマ。
後部座席の前面には、備え付けのモニターを設置。
フロントカメラビューで運転中の景色を共有、前席の人の顔を映しながらの会話、地図を開いて目的地選択のサポートをするなどの用途を想定している。
<レクサス スポーツコンセプト>
エモーショナルな運転体験ができるドライビングカーとして生まれたスポーツコンセプト。
運転席と助手席で、素材とデザインが異なる。
ドライバーはホールド感のある座席に体をゆだね、運転に没入できるよう設計。助手席では、運転に心地よく身を預け、リラックスできるようにつくられている。
<空と海もカバーする360度のモビリティ>
会場では、空と海のモビリティも展示。
トヨタがJobyと協業で取り組む“空飛ぶクルマ”こと「eVTOL*」。
*Electric Vertical Take-Off and Landing(電動垂直離着陸機)の略。ヘリコプター、ドローン、小型飛行機の要素をもち、通勤や出張、旅行などの需要に応える“空飛ぶタクシー”としての活用が期待されている。静粛性、安全性、環境性(ゼロ・エミッション)などに優れている
将来的に“空飛ぶクルマ”を普及させるには、まずはラグジュアリー層に気軽に乗ってもらえるモビリティになることを目指す必要がある。
そのうえで、今回のJMSでは、陸・海・空の360度のモビリティを追求しているレクサスのブースで新型のモックを展示することになった。
そして、新たな海のモビリティとして提案されているのが、*双胴船「レクサス・カタマラン」。会場ではミニチュアモデルが展示されている。
*縦長の船体を2つ並べ、甲板で平行につないだ船
開発のきっかけは2019年、レクサスがブランド初のラグジュアリーヨットとしてつくった「LY650」に始まる。
レクサスとして海のモビリティをつくり続けるには、よりラグジュアリーな層へのアピールが必要になる。そのためには、さらなる快適なスペースと環境負荷の低さが求められていると判断。
縦に伸びた2つの帆には、ソーラーパネルが内蔵されている。
クリーンなエネルギーを活用しながら航行するとともに、クルマの自動運転技術も活用。長時間、船員を必要とせず移動可能な「自動操船」を可能にしている。
これにより、海上で一人きりになるという最上級のプライバシーを確保。コンセプトでもある、日常からの“真のエスケープ”を叶える。
陸での移動に加え、空と海も含めた360度のモビリティを充実させることで、暮らし方を根本的に変えていく。
次回はセンチュリー
“誰の真似もしない”レクサスの展示車両からは、ブランド革新への覚悟とラグジュアリーな未来が垣間見えた。
JMS 2025の一般公開日は、10月31日から11月9日まで。東京ビッグサイト(江東区)南展示棟1階のブースに並ぶ実車をご覧いただければ、サイモンCBOが語ったように、“今までにない何か”が見つけられるはずだ。
そして、明日のトヨタイムズでは、13日の生放送で最も大きな反響を呼んだセンチュリーについて紹介。
トヨタブランドの中で別格かつ最高峰のクルマについて、豊田会長がスピーチで語る。どうぞご覧いただきたい。