3つの衝撃のモビリティの正体とは!? 記事後半ではトヨタが漢字で「障害」と表記する理由も!
トヨタ自動車 植田
家族に「害」を漢字にするかもしれないと話したら「嫌だな」と言っていました。普段から周囲で支えているからこそ傷つく表現なのかもしれません。そういう意味でも、なぜ漢字にしたのかを丁寧に伝えることが大事だと感じます。
トヨタ自動車 大野
家族は、当事者とは違った苦労もあると思っていて。でもそんな家族も表記のことより、もっと住みやすい環境になってほしいと願っていると思います。
私は車いすユーザーですが、友だちと行ったお店に段差があって入れないことがあって…。そのとき「あなたが悪いんじゃなくて、建物が悪いから気にしないで次の店に行こう!」と言ってくれたんです。その子は、漢字表記を喜んでくれると思います。
②「障がい」と平仮名になった当時はどう思ったか
今から20年ほど昔、漢字から平仮名に変わっていった当時のことも聞いてみた。
トヨタループス 外輪
社会がここまで考えてくれるようになったんだ!と思いました。
トヨタ自動車 佐藤
僕はまだ中学生でしたが、平仮名になったことで触れてはいけない存在になったように感じました。障害者は「配慮しなくてはいけないもの」。腫れ物に触るようなネガティブな印象を受けました。
平仮名はどうしても“つくられた言葉”と感じる。そんな声もあった。
③正しい配慮とは何か?
相手を思いやる配慮。しかし配慮が可能性を制限してしまうこともあるという。
トヨタ自動車 植田
みなさんどう接していいか一生懸命考えてくださっていると感じます。それ故に「大丈夫です」と言っても「本当に大丈夫?本当に?」と何度も聞かれることがあって。配慮されすぎると、その人の可能性を縮めてしまう可能性もあるんです。
トヨタ自動車 大野
「障害があるから出張に行くのは難しい」と勝手に判断されないか不安でした。でも「出張に行ってみる?」とまずは相談ベースで聞いてくれたのが嬉しかったです。他人は障害のことを触れづらい。だからこそ自分がどこまで配慮してほしいかを伝える。私たちからの配慮も大事だと気づけた瞬間でした。
トヨタループス 谷口
「手伝おうか」と言われると、ありがたい反面、断りづらさもあります。長く一緒に働いている人は、どこまでできるのかを理解してくれるので、やっぱりコミュニケーションが大事だなと思います。
トヨタループス 外輪
誤解されがちですが、補聴器をつけていても全部が聴こえるわけではないんです。私は口の動きで言葉を理解することも多い。だから耳元で大きい声でしゃべられると「違う違う(笑)!口を見せて」ってなるんです。
聴覚障害といっても一人ひとり違いがあって、口の動きで言葉を理解する人もいれば、手話のみでコミュニケーションをとる人もいる。まずは相手を知ることが大事ですよね。
トヨタループス 早川
私の障害は見た目で理解してもらえないので苦しみもあります。てんかんで、いつ倒れてしまうかわからない。でも事前に同僚にはその話をしているので、職場のみなさんが気にかけてくれています。
トヨタ自動車 佐藤
僕は義足を使っていて、個人的に不便なことはほとんどない。長ズボンだと気付かれないことも多い。でも仕事で「朝からずっとイベント対応」となると大変なことも。見た目では分からないので、自分で主張をすることも大事だと感じました。
トヨタ自動車 瀧口
まずはその人の症状を知ってもらえると嬉しいです。僕は日々の体調によって体の変化もある。今日は転びそうだなとか、エレベーターを待つのがしんどいときもあります。
エレベーターを待つ間、私を含めて椅子に座りたい人もいると思います。一方で、椅子が多すぎると邪魔になるし、多くの人は椅子を必要としない。そのジレンマはありますね。
トヨタ自動車 佐藤
今の社会は「健常者が暮らしやすいように」つくられているように、マイノリティのことを決めるのはマジョリティ。どうしても多数派の意見が強い。だからこそ、マジョリティとマイノリティの密な会話が大事だと感じます。
障害の有無に関わらず、一人ひとりみんな違う。だからこそお互いが理解しあうことが大切なのだ。
次の最終ページでは悲しい実話も出てくる。このようなことが起こらないために、当事者たちはあることが必要だと口を揃えた。その内容とは…