2025.07.25

3年目となった液体水素カローラでの富士24時間レース。これまでより市販化へ踏み込んだ挑戦が行われた。
市販化への挑戦② 新充填バルブによる速度・安全性・操作性の向上
市販化するにあたって大きな課題の一つとなっているのが、インフラの整備。
その液体水素の充填環境において、岩谷産業と一緒に開発した新しい充填バルブが大きな可能性を示した。

伊東主査は、「構造がシンプルになり、充填スピードも上がり、軽量になったということで、構造的には地味ですが、画期的な構造変更だと思っています」と話す。

これまで液体水素の充填時のバルブの開閉は、外部からのアクチュエータによって操作していたが、流路面積拡大に限界があるのに加え、密閉性にも課題があった。
そこで新充填バルブでは、内部ピストン構造を採用。
これによって流路面積が拡大し、充填速度がこれまでよりおよそ3割向上。
また、外部アクチュエータが無くなったことでおよそ2kg軽量化したと同時に、開閉工程も無くなったことで密閉性も向上し、水素が漏れ出すリスクが抑制された。
