
燃料、自動車メーカーが、オールジャパン体制を組み、低炭素ガソリンを開発することがS耐富士24時間の場で発表された。各社は会見で、液体燃料を含めたマルチパスウェイの重要性を語った。
電動車が進化してもCN燃料は欠かせない
中嶋裕樹副社長(トヨタ)は、自動車メーカーの課題として新車だけではなく、すでに使われている保有車のCNが欠かせないと説明する。
中嶋副社長(トヨタ)

こういう場(S耐)でENEOSさんには貴重な低炭素燃料を供給いただき、それを自動車各社がしっかりとクルマを鍛えながら使わせていただく。
これは非常に大きなことで、挑戦する意義のあることだと本当に強く認識しています。
自動車メーカー側から見た課題もお話しできればと思います。こちらの表はトヨタの街中に走っているクルマ、保有も含めたCO2の排出量というものを縦軸に横軸には、2050年にCNをどういう計画で進めようとしているかです。

この縦軸のCO2は燃料がつくられたり、電気がつくられたりとするときに発生するCO2も含めた「Well-to-Wheel(ウェル・トゥー・ウィール)というカウントの仕方で数えたものです。
電動化によるCO2低減で右肩下がりではありますが、保有まで含めますと、まだまだ電動車でないクルマ、緑色で塗り潰している部分のCN燃料の活用もこのぐらいは必要だと認識しております。
さらに、電気自動車に使う電気も再エネをより活用することによって、CO2削減に貢献するとともに、最後はCO2を回収するということも自動車業界がやっていかなきゃいけない。
あくまで、トヨタの事例ですが、このような考え方で2050年のCNを達成したいと思っております。
このCN燃料というのは電動車がいくら進化しても、保有の面から見て絶対に必要なものである、これが実態だということを理解いただければと思います。
キャスティングボードを握るバイオ燃料
中嶋副社長(トヨタ)
次に日本以外にも目を付けています。バイオ燃料をしっかり活用している国として、ブラジルがよく挙げられます。
フレックス燃料車(FFV)と言いますが(写真の)左側がブラジルの街なかにあるガソリンスタンドで実際の値段が書いてあるところです。

上がエタノール、下がガソリンと書いてありますが、エタノール混合燃料の方が安いです。
政府がしっかりと補助金を付け、CN燃料を世の中に広めていこうという考えのもと積極的に進められています。
トヨタもFFVをプリウスから、さまざまなクルマでHEV化して提供することによって、さらに燃費自体も良くしようという動きを進めています。
これらの動きはブラジルだけではなく、アジア諸国にもどんどん広がっていくのではないかと言われております。
過渡期という話かもしれませんが、新興国までグローバルに視野を広げていくと、このバイオ燃料こそが、非常に重要なキャスティングボードを握っていると認識いただければと思います。
ENEOSさんから供給される燃料をしっかりと我々が使いこなし、お客様のCN、自動車業界のCNに貢献していくかということを、今日は参加されていませんが、ホンダさんも含めて、みんなで共に挑戦していきたいと思いますので応援のほどよろしくお願いします。