
燃料、自動車メーカーが、オールジャパン体制を組み、低炭素ガソリンを開発することがS耐富士24時間の場で発表された。各社は会見で、液体燃料を含めたマルチパスウェイの重要性を語った。
いろいろな自動車を届けるために
SUBARUの藤貫哲郎CTOは、多様なお客様のニーズに応え続けるためにも、このCN燃料開発が欠かせないと話す。
藤貫CTO(SUBARU)

いろいろなところで言っているんですが、自動車って面白い商品だと思うんですよね。
各社がたくさんの自動車を出している。つまり、これがコモディティになっちゃうと、ビジネス自体が無くなっちゃうと思うんですよ。
だから、この多様性を活かしつつ、CN、排気ガスであったり、環境問題をクリアしていかなきゃいけないと思います。その1つの手段として、CN燃料が非常に重要だと思っています。
エンジニアの目線でいくと、今までは燃料をどう使うかということでやっていたのですが、今回は我々も一緒に燃料(の開発)をやります。ワクワクしながらやっています。
もう1つが、多くの会社が一緒にやることです。もちろん情報交換もしているんですが、今まではクルマの開発は個社ごとに、隠してやっていました。
そうではなくて、「一緒に未来をつくっていこう」みたいな、そういう活動を自動車会社とENEOSさんのような燃料の会社と一緒にやれるっていうのは、すごくワクワクしています。
これが日本の強みになっていけば、最終的にはお客様にいろいろな自動車を提供できる。そういう世界を続けていかなければと思って参加させていただいています。
マツダの梅下隆一CTOもこう続ける。
梅下CTO(マツダ)

先ほど、藤貫さんからもお話がありましたけれど、こうやってライバルが一緒に力を合わせて同じ挑戦ができる、あるいは同じ志を持って頑張れるということは本当に幸せなことだと心から思っています。
マツダも兼ねてより、マルチパスウェイ、それからCNということを申し上げております。
そして、ここ(S耐)に具体的な実験の場を提供していただきましたので、共挑する仲間と一緒に知見を共有し、切磋琢磨しながら、次の時代の扉を少しずつ開いていきたいなと思います。
ちなみにマツダはゼッケン12号車のロードスターにこの燃料を使わせていただきます。
今日のレースは24時間なので大変厳しいレースになると思います。逆に言うと、これが大変貴重な実験の場にもなるとも考えています。
ぜひ、レースをご覧になる皆さんも、各社のレースそのものを楽しんでいただくと同時に、未来に向けた実験が24時間行われる。それは、どんなふうになるんだろうと、そういう楽しみも今後持って見ていただければと思います。
日産モータースポーツ&カスタマイズ(NISMO)の木賀新一専務執行役は今回使用を見送ったこの低炭素ガソリンの使用を約束した。
木賀専務(NISMO)

ST-QというカテゴリーでZ NISMO GT4というクルマ開発をさせてもらっております。
今回はいろいろな事情があり、(低炭素ガソリンの使用を)辞退しているんですが、必ずこの今回のENEOSさんの低炭素ガソリンを使わせていただいて、参戦させていただくことをここで約束します。
このZ NISMO GT4というクルマは、日産モータースポーツアンドカスタマイズと日産が設計から開発、製造まで全てをやっているGT4カテゴリーで唯一の日本製のクルマです。
パワートレーンであるエンジンは、福島にある日産のいわき工場でつくっています。
このENEOSさんが日本でつくられた低炭素ガソリンで、日本のエンジンがどういうふうにパフォーマンスを発揮できるのかをレースを通じて、じっくりと開発させていただきたいと思っています。
量産車に、きちんとフィードバックできるデータが取れると思っています。