
スーパー耐久シリーズ 第3戦 富士24時間。現在、国内唯一の24時間レースには、年に1度のモータースポーツのお祭りとして、レーサー、ファンにとどまらず、さまざまな仲間が集まる。この会場に集まった仲間を取材した。
カートのハードルを下げる「からくり」
さらに、富士スピードウェイ内のカートコースでは、以前発表されたTGRのCN燃料カートが実際に走行する試乗会がメディア向けに行われた。

TGRカートの燃料は現状、CN燃料とガソリンだが、将来に向けて水素カローラの取り組みと同様に水素エンジンも検討しているという。
TGRがカートをつくる目的は、モータースポーツを将来に渡り持続可能とするために、子どもたちとファミリーに触れてもらうこと。
そして、カートに触れてモータースポーツを経験した子どもたちに自動車業界の人材となってもらえるように、将来のクルマ好きを育てるためだという。
そんなファミリー層が参加するハードルを下げるために、GRカートを運搬するために専用のクルマを持たずとも、普段使用するミニバンに乗せることができるように開発している「からくり」を使用したスタンドもお披露目された。
トヨタにおける「からくり」とは、歯車やテコの原理、バネなどの簡単な機構を使い、動力を使わずに作業を自働化し、改善する仕組みのことだ。

通常のカートは70kg前後の重量があり、持ち上げるには、大人2人がかりとなるが、この折り畳み式のスタンドを使用するとテコの原理を利用して大人1人で持ち上げることができる。
お父さん、もしくはお母さんがお子さんと2人でカートに来ても、大人1人だけで積み下ろせるようにした。

さらに、今まではカートのトランスポーター(運搬車)はハイエースや商用バンが使われることが多く、カート参入のハードルとなっていた。そこで、普段家族で使用しているノアにカートとスタンドがすっぽりと収まる専用キャリアのコンセプトモデルもお披露目された。
総括ラウンドテーブルで、TGRの高橋プレジデントは、メディアからCNの仲間の広がりについての質問を受け、このように答えた。
高橋プレジデント

今回、イベント広場を見ていただいても、例えばコーヒー豆を水素で焙煎しようとか、「つかう」の選択肢が広がっているなと思います。
選択肢が広がることで、水素の使用量が増える。そうすることで水素のコストが下がってくるという、本当にいいサイクルに今、なり始めているんじゃないかなと思います。
もっともっと、「つかう」仲間の皆さんに「この指止まれ!」で、集まっていただけると嬉しいなと思います。