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健全な危機感を持てているのか? 脱一律へ労使に問われた覚悟

2025.03.06

異例の本部別で開催された第2回労使協議会を通じて問われた「当事者意識」。働き方やメンバーが多様化し、「人が仕事を選ぶ時代」に佐藤恒治 社長が語った"一律"の意味とは。

話し合いを絶対に「ごっこ」にしてはいけない

佐藤社長

これまでの3回を振り返って改めてお話ししたいのは、トヨタの労使協議のぶれない軸は「話し合い」であるということです。世の中にどんな声があろうとも、我々の労使協議の原点は、組合の要求であり、その要求に基づいて、労使で本音の話し合いをすることです。

だからこそ、この話し合いを絶対に「ごっこ」にしてはいけないと思います。豊田(章男)会長が社長時代からずっと守ってきたこの労使協議のあり方を、軸をぶらさずに続けていくこと。これこそが未来のトヨタを生み出していくための一番大切な原動力であると思います。

そう思ったときに、第2回の本部別の労使協議でさまざまな声をいただきました。短期間だったので、なかなか声をまとめられなかったという言葉もありました。それから「やっぱりやってよかった」「本音の話し合いができるようになった」。良いことだと思います。

一方で、本来この労使協議の場はどういう場なのか考えたときに、その言葉が出てきている現状であったことに、我々は気づかないといけないと思います。支部単位で職場に寄り添って、改善すべきことを改善する。決めるべきことを決める。

その上で、この労使協議の場に、全体で話し合うべきことを集約していく。こういう形になっているはずです。ただそれができていなかったことが大きな学びだと思います。

職場の問題は、職場でその声に一番寄り添っている人たちが、現場感を持って決めていかない限り変わらないです。

総論をしていても、私たちの身近な毎日は変わりません。身近な毎日を変えていくための行動の重要性を労使で改めて再認識して、取り組んでいきたいと思います。

最近、豊田会長から「一律の意味を考えてごらん」というアドバイスをもらうことがありました。

今日の議論がそうであったように、我々を取り巻く環境は多様化していますが、大きな組織をマネジメントしていくために、一律であるものがたくさんある。でもその一律の意味を今考えるべきと豊田会長から投げかけられているのだと思います。

仕組みやルールを一律にするのではなく、それぞれの職場環境に応じて、みんながやりがいを持って働けることを一律にしていく。どの職場でも生産性が上がっているということを一律にしていく

一律であるべきものの捉え方が、違うのではないか」という投げかけなのではないかと思います。

今回、第2回の学びを得て、それぞれ本部単位、カンパニー単位で、一律ではない、現場の環境に即したやりがいや、生産性を上げる取り組みを実行に移してほしいと思います。

もう一つ、後半の議論で、従来の物差しでは測れない頑張り、挑戦があるという話がありました。

「本当にそうだな」と納得感を持って、意見を聞いていました。この状況に、大きな決断をする必要があると感じました。つまり、今日声を上げていただいた技能職、業務職の皆さんの仕事の領域拡大、あるいは評価制度、仕組みを見直しましょう

この取り組みに労使で本気で取り組んでいきましょう。声を上げていただいたからこそ、それに結果で示していく必要があると思います。

一方で、これはものすごく覚悟のいることだと思います。今までの「ルールや仕組みが一律だからしょうがない」という言い訳がきかなくなります

全員が納得のいく評価制度はできません。ですが多様化する環境に、より即したものをつくろうという提案を、今日皆さんはしました。

会社としても「それを真剣に受け止めて検討しよう」と返したい。ただ、それにはものすごい覚悟が必要だということを、組合の皆さんもぜひご理解いただきたい。

ものすごく難しい問題に向き合うことを要求しました。我々も本気でやります。組合の皆さんも、ぜひ執行部に依存するのではなく、全員が当事者として、この議論に向き合ってほしいと思います。

またキャリア入社の方や、外国人の方々のやりがい、働きやすさ、これも同様に、どういう環境をつくっていくべきなのか議論しましょう。

「トヨタらしさ」という言葉があります。いいときには「トヨタらしさ」といいますが、「トヨタらしさ」には、両面あると思います。

我々が守り育てていくべきいい側面のトヨタらしさと、我々が直していかなければいけないトヨタらしさ。

先日、とある会議で、「社外戦力」という言葉を聞きました。同じプロジェクトに向き合っている仲間でありながら、社内と社外がチームの中に存在している。

この環境は、本当に守るべきトヨタらしさなのか。そういう議論が必要だと思います。

頑張りに報いる、それぞれの働き方を尊重する。その通りです。人事評価も変えていきましょう。そのときに、従来の仕事の枠組みを超えて仕事をしている人は頑張っています。

一方時短で、その枠の中で精一杯生産性を上げてくれている、そういう働き方をしている人たちも同じように頑張っています。

そういうそれぞれの頑張りをきちんと見てあげることが、我々は本当にできるのかどうか。問われているのが、今日の話し合いの論点になっていたと思います。

一律ではなくなることに対して、前向きに勇気を持って、取り組みの議論を進めていきたいと思います。足場固めや、やりがいの向上に対しての投資は本気でやります。未来のためです。

ただそのためには、稼ぐ力を高めていく必要があります。我々が後輩たちに引き継いでいかなければいけないのは、莫大な固定費ではなく、やりがいを生み出す原動力になる稼ぐ力

どうやって生産性を高めるのか。「頑張ろう」と「頑張るよ」という言葉がなければ、この投資はできないのです。その大前提を組合の皆さんにも会社側の皆さんにも、ご理解いただいて、真剣な議論をしていきたいと思います。

話し合いは大切です。もっと大切なのは、話し合った上で行動することだと思います。人への総合投資の想い。先ほど鬼頭委員長からいただいた要求に対する覚悟を踏まえて、次回のこの労使協議の場で、組合の要求に対して、回答を申し上げたいと思います。

次回の労使協は312日に開催する。

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