
水素エンジンカローラが5年目の24時間耐久レースに挑んだ。そこで今年も自動車研究家の山本シンヤ氏に今回の挑戦について表現してもらった。今回は、富士スピードウェイのキャンプエリアで焚火を囲んでの延長戦も。自動車ジャーナリスト今井優杏さんも加わって、「モータースポーツが文化として根付くために」というテーマで語り合った。
モータースポーツが文化として根付くために
ここで、「モータースポーツが文化として根付く」、「『道がクルマを鍛える』を考える」をテーマに、自動車研究家の山本シンヤ氏、自動車ジャーナリストの今井優杏氏と森田キャスターが3人で焚火を囲みながら、さらに話し合った。

森田
モータースポーツが文化として根付くみたいな話をしていましたけど、このエリアは、モータースポーツを見に来るという目的の人も、キャンプや肉を楽しむという人がいてもいいんですよね?
山本
肉を楽しんで、焚き火を楽しんでいる横を、「あっ、クルマが走っているんだ。レースをやっているんだ」っていうね。僕はそれぐらいでOKだと思っています。
森田
この前、ニュルの24時間レースに初めて行かせてもらったときに、ギャラリーコーナーでキャンプを楽しんでいる人がいて、そのことをモリゾウさんが言っていたのが印象的だったんですよ。
まさに、そんなエリアが、富士スピードウェイにできているじゃないですか。(富士スピードウェイは)S耐を開催しているときもあれば、スーパーフォーミュラを開催しているときもある。ただ、夜にクルマが走っているというのは、この24時間レースならではですね。
今井
オールナイトで営業している日が限られているので、ここは放送でお見せしちゃうと競争率が上がってしまうかもしれない。
森田
モータースポーツが文化として根付くみたいな話を、我々はよくするので、それがどういうことなのかを今回テーマとして掲げています。
「『道 がクルマを鍛える』を考える」ということで、こんなことを考える時間にするために、自動車研究家の山本シンヤさん、自動車ジャーナリストの今井優杏さんにお越しいただきました。
今日、6時54分が日没だったので、日が沈んで、だんだん雰囲気良くなってきて、クルマのライトもいい感じになってきて、最高の時間になりましたね。
今井
ライトオン走行が見られるレースも本当に少ないんですよ。しかもこの距離で見られるサーキットがまず少ないですよね。
森田
なぜ、今日は山本シンヤさんをお呼びしたかというと、実はトヨタイムズの生中継とは別に、毎年、山本シンヤさんにはインタビューしているんですよ。
振り返ってもいいですか。水素エンジン1年目の挑戦から山本シンヤさんと一緒に 定点観測をしています。

やっぱり、定点観察は条件が変わっちゃダメじゃないですか。 同じ場所で、同じ格好で、同じ人に話を聞く。
山本シンヤさんは1年目「水素エンジンは夢の扉を開けたエンジン」と言って(定点観察が)始まりました。
これが2022年になると「内燃機関は味方」になったと振り返りました。
2023年になると「世界が本音を喋れるようになった」と。
これはたぶん、(ACOのピエール・)フィヨンさんが来て、ル・マンに水素クラスができるって話をしたときですね。
山本
そうですね。
森田
そして去年です。「 頂上がうっすら見えてきた」。
これは 市販というか、実際に世に出るまでの頂上がちょっとだけ見えてきたんじゃないかということ?
山本
水素エンジンの課題は航続距離だったので、それ(の解決策)が少し見えてきたかなっていう話をしました。
森田
ということで、今までお届けしてきました。定点観測なんで当然、今日の朝もやったんですよ。そのときシンヤさんなんて言っていましたっけ?
山本
「頂上が頂上じゃなかった」んですよ。 今まで見えていたものが、実は頂上ではなかったなって。 そういうふうに思えてきました。
森田
だから、「頂上がここだ」っていうのは正直、誰もわからない。
山本
そう、頂上は誰もわからないんだけど、自分が頂上だなと思っていたものが、実は頂上じゃなかったっていうのが、今起きていること。
